弁護士法人 大阪パブリック法律事務所
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不正競争防止法違反で逮捕・勾留されたが、勾留3日目で釈放された事例

犯罪の嫌疑をかけられて逮捕・勾留されている方を釈放させるための活動は、捜査弁護において、最も重要な弁護活動の一つです。

そのために、弁護人は勾留決定に対する不服の申立て(準抗告の申立てといいます。)をし、一日でも早く釈放されるよう全力を尽くします。

 

今回、私が担当したのは、ある食品会社が産地偽装を行い、その社員が不正競争防止法違反で逮捕・勾留されたという事案です。

不正競争防止法とは、事業者間で正当な営業活動を行うことを遵守させ、公正な経済競争を保護するための法律です。産地偽装は正当な営業活動ではなく、不正競争防止法上では刑事罰の対象となります。

初めて被疑者の方が勾留されている警察署に接見に行った際、被疑者の方から、重大な病気を抱えているとのお話を聞きました。その方は遠方の土地に住んでおられました。逮捕・勾留に伴って、住まいから遠く離れた警察署に連行され、環境の変化により体調が悪化しているとのことでした。

接見の最後、被疑者の方が「何とか1日でも早く、ここから出たいです。」と強く訴えられている姿が強く印象に残りました。

 

接見後、すぐに勾留決定に対する準抗告申立ての準備に取り掛かりました。

裁判官を説得するポイントは明白です。

身体拘束がもたらす不利益を具体的に伝え、その方を勾留する必要がないことを理解してもらうことです。

 

まず、文献等に基づき、被疑者の方が抱えておられる病気を徹底的に調査しました。

その結果、その病気は風邪等をこじらせただけでも、重篤な結果をもたらす危険があることが判明しました。留置施設内には冷暖房もなく、空気が乾燥しています。狭いところに何人もの同室者がいます。季節は冬で、風邪も蔓延していました。勾留された場合に、被疑者の方が受けることのできる医療は十分なものではありません。

このまま、身体拘束を続ければ、被疑者の方の病気が悪化し、生命の危険すらあることは明らかでした。

準抗告申立て書には、参考にした文献を多数引用し、病気の危険性を強く訴えました。また、留置施設内の環境や、体力が衰弱している被疑者の方の健康状態についても、裁判官の理解を得るべく、出来るだけ沢山の具体的事情を記載しました。

 

その結果、勾留3日目という勾留の早い段階で、被疑者の方は釈放されました。

裁判官の勾留請求却下決定では、「病気が勾留後悪化傾向にあると窺われることに照らせば勾留の必要性はない。」旨記載されており、一連の弁護活動の成果を実感しました。

 

1つ1つ異なる事案で、裁判官を説得するためのポイントを見極めるためには、刑事事件の豊富な経験を有していることが必須となります。

当事務所は刑事事件を専門に扱い、刑事事件の経験豊かな弁護士が多数在籍しております。

ご家族や知人が突然逮捕、勾留された場合、まずは当事務所までご相談ください。

(市川耕士弁護士担当事案)