弁護士法人 大阪パブリック法律事務所
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勾留7日目に釈放された事案

今回ご紹介する事案は,男性Aさん(当時25歳)が,家出中の女性Bさん(当時23歳)を自宅で寝泊まりさせていたところ,自宅でBさんと口論になり,突き飛ばして転倒させて首を絞めたり,自宅に置いていた包丁を胸に突き付けたりして,Bさんに加療日数不詳の傷害を負わせた,という疑いで逮捕された事件です。

一見すると,男性が凶器を用いるなどして女性に傷害を負わせたという傷害事件なので,最大20日間の勾留期間を経て,起訴されて刑事裁判となるか,少なくとも罰金刑にはなるだろうと考えられました。

しかし,Aさんの話を聞くと,包丁を胸に突き付けたなどの一連の暴行の態様に言い分の食い違いがあるだけでなく,本当にBさんがAさんに対する刑事処罰を求めているのか疑問に思われる事情がありました。というのも,Bさんの負傷の程度がはっきりしないこと,もともとBさんがAさん夫婦(Aさんには同居の妻子がいました。)を頼って身を寄せていたこと,Aさん夫婦とBさんの両親との間でBさんの家出を巡って意見の食い違いがあり,Bさんの両親は,Bさんが自宅に帰らないのはAさん夫婦のせいだと考えており,Aさん夫婦はBさんの両親から良く思われていなかったことなどが分かりました。

そこで,弁護人からBさんに連絡をとり事実経過を確認したところ,Bさん自身は被害届を提出していないこと(Bさんの両親が被害届を提出した可能性があること),今後も被害届を提出するつもりはないこと,BさんはAさんに対する刑事処罰を望んでいないこと,といった事情を聴き取ることができました。

そこで,弁護人の方で,こうしたBさんからの聴き取り書を資料として,勾留6日目(土曜日でした)に勾留取消請求をしました。すると,翌日の日曜日には,検察官自身が,裁判官の判断を待つまでもなく,Aさんを釈放しました(後日,Aさんは不起訴処分となりました。)。

今回の事案のように,関係者からの聴き取り調査を経て,被疑者の方が釈放されるというケースは他にもあります。家族が突然,逮捕され,今後の対応に迷ったときは,まずは当事務所にご相談ください。

(岸祐司弁護士担当事案)